ドコモが「FOMA」サービスおよび「マルチナンバー」サービスを終了すると公式発表しました。
本記事では、終了時期や背景、影響範囲、代替手段まで詳しく解説します。
ドコモのマルチナンバーとは？
ドコモの「マルチナンバー」とは、1台の携帯電話契約で複数の電話番号を使い分けられるオプションサービスです。プライベートとビジネスを区別したい人や、用途によって発信番号を変えたい人には便利な仕組みとなっています。
ただし、FOMA回線の終了に伴い、2026年3月31日をもってサービスが終了予定と公式に発表されています。
ここでは、その基本的な仕組み、主な利用者層を整理して解説します。
マルチナンバーの基本概要と仕組み
マルチナンバーは、FOMA（3G）契約を前提に提供されていたサービスで、1契約に対して最大3つの電話番号を割り当てられるという仕様が一般的でした。いわゆる “メイン番号” に加えて “サブ番号” を設定し、発信・着信時にどの番号を使うか選択して操作する方式です。
この仕組みによって、たとえば「仕事用」と「プライベート用」を1台で使い分けることができ、通話料金や請求をひとまとめで管理できるのが強みでした。さらに、着信時にはどの番号宛てかを識別でき、着信音の設定や条件分岐をすることも可能なケースがありました。
ただし、すべての端末・回線・プランが対応していたわけではなく、スマートフォン環境では制約を受けることも多かったようです。
どんな人に使われていたサービスか
マルチナンバーは、特に次のようなユーザーから支持を受けていました。
- ・仕事と私用を区別したいビジネスパーソン
- ・副業や兼業で別の連絡先を持ちたい人
- ・家族・友人など特定相手用の番号が欲しい人
これらの人にとって、別の端末を持ち歩かずに番号を使い分けられる点が大きなメリットでした。ただし、番号の割当や制約によっては意図どおりに運用できないケースもあり得ます。
ドコモ マルチナンバー終了の背景
マルチナンバーはかつて、ビジネス用途やフィーチャーフォン利用者を中心に重宝された機能ですが、技術進歩と通信インフラの変化により、その役割が次第に縮小する流れにあります。
ここでは、終了の背景とスケジュール、そしてフィーチャーフォン終了（3G停波）との関係について整理します。
なぜドコモはマルチナンバーを終了するのか
最大の要因とされるのは、FOMA（3G）回線の終了です。マルチナンバーは3Gネットワークを前提とした仕組みに大きく依存していたと考えられており、4G／5Gネットワークでは対応できない制約が多く出るため、継続が難しくなるという判断が影響している可能性があります。
また、通信インフラ側では、古いネットワークを維持するコストを抑えつつ、4G／5Gや次世代技術へ資源を集中させたいという構造的な理由も背景にあります。
さらに、スマートフォンとアプリ・クラウド型の電話番号管理サービス（クラウドPBX、VoIP、仮想番号等）の普及により、回線ベースで番号を複数持たせる方式へのニーズが相対的に後退した面も大きいでしょう。
終了スケジュールと公式発表の内容
ドコモは、FOMA（3G）および iモード のサービスを2026年3月31日に終了する旨を公式に発表しています。
この停止に伴い、3Gを前提とした複数のオプションや機能も整理される見通しで、マルチナンバーについてはすでに新規契約の受付を停止しているという告知もあります。
ただし、「地域や契約内容で2025年後半から制限が始まる」などの詳細スケジュールは、公的な文書では確認できていません。将来的には、既存契約者向けに段階的な制限や移行案内がなされる可能性があります。そのため、現在マルチナンバーを使っている人は、2025年度中に代替手段を検討しておくことが現実的でしょう。
フィーチャーフォン（ガラケー）終了との関係性
マルチナンバーは、主に3G（FOMA）対応のフィーチャーフォン（ガラケー）を対象とした機能として設計されていたため、3G停波はその機能を根本から支える基盤を失うことになります。
一方で、すべての「スマートフォン＝NG」とは言えません。4G／5G 対応機種の中には FOMA／VoLTE非対応、あるいは VoLTE をOFFにして使っている機種もあり、そういう端末では音声通話が使えなくなるケースが報じられています。
つまり、マルチナンバー終了はサービス整理だけでなく、通信インフラの世代交代（3G → 4G/5G）という構造的大変化の中で、避けがたい流れと見ることもできます。
引用：
「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内 | お知らせ | NTTドコモ
マルチナンバー | サービス・機能 | NTTドコモ
マルチナンバー終了による影響
マルチナンバーの終了は、複数番号を使い分けていたユーザーにとって、日常の連絡手段に変化をもたらす可能性があります。とくにビジネス用途やガラケー利用者には影響が大きいため、早めの準備が望まれます。
ここでは、「使えなくなる時期」「ビジネス面でのリスク」を具体的に見ていきます。
既存契約者はいつまで使えるのか
ドコモは FOMA（3G）および iモード の終了を2026年3月31日と公式に発表しています。
また、マルチナンバー機能もこの終了にあわせて利用できなくなります。
マルチナンバーを契約していた既存端末で使い続けるケースが多いですが、例外的に端末・地域・契約条件によって制限が早まる可能性も排除できません。したがって「2026年3月まで使える」「その後は番号が失効する」という理解は概ね正しいですが、すべてのケースに当てはまるとは限らないことを注意しておく必要があります。
ビジネス利用者へのリスクと注意点
マルチナンバーは、ビジネスや副業を行う個人・小規模事業者にも利用されていました。終了を見据えて準備しないと、次のような支障が起こる可能性があります。
- ●取引先からの連絡がつながらなくなる（番号非通知・未更新による）
- ●予約・顧客対応で使っていた番号が使えなくなる
- ●通信履歴・通話ログの引き継ぎが難しくなる
- ●長年使ってきた番号を突然変更すると、認知度・信頼性の低下や機会損失を招く
このため、クラウド電話サービス、番号転送サービス、仮想番号、IP電話などの代替案を早めに検討し、利用者・顧客への案内を十分に行っておくべきでしょう。
代替サービスと移行先の選択肢
マルチナンバー終了にともない、従来のように回線ベースで複数番号を1台の携帯に割り当てる方式は使えなくなる可能性が高いです。ただし、それを補う形で複数の選択肢がすでに存在します。
ここでは、ドコモ内部の手段、他社・格安SIM活用、そしてIP電話アプリ「SUBLINE（サブライン）」を中心に見ていきます。
ワンナンバー／2in1 など、ドコモの代替手段
- ワンナンバーサービス
スマートフォンで使っている番号を、対応するアクセサリ端末（スマートウォッチ等）に共有できるサービスです。アクセサリ端末単体で通話・SMS・通信が可能な場合もあります。ただし、この方式は「番号を増やす」わけではなく、既存の1つの番号を複数端末で使う形式であり、マルチナンバーのような完全な代替とは性質が違います。 - 2in1 サービス
ドコモが提供していたサービスで、1台の端末に2つの番号・メールアドレスを持たせる形でした。ただし、2in1 はすでに新規申し込み受付を終了しています。また、2in1 サービスは FOMA（3G）回線前提で設計されており、ドコモはこのサービスを FOMA／iモード 終了とともに整理する予定を案内しています。このように、ドコモ内部で「マルチナンバーと似た機能」が残っているわけではありません。
したがって、4G／5G環境下で使える外部サービス（IP電話、クラウドPBX等）に移行するのが現実的な選択肢となります。
格安SIM・他キャリアで番号を複数持つ方法
他キャリアや格安SIMを活用し、複数番号を並行運用する手段も有力です。例としては
- ・デュアルSIM対応スマートフォンで、別キャリアのSIMを併用
- ・法人向けサブ回線を契約して別番号を持つ
- ・IP電話アプリ（050番号等）を導入
ただし、物理的に複数SIMを使うとバッテリー消費が増えたり、端末側の対応や設定が複雑になったりするケースもあります。こういう点で、クラウドベースの電話サービスの方が利便性・運用性で優れる面があります。
IP電話アプリSUBLINE（サブライン）とは？
SUBLINE（サブライン）は、お手持ちのスマホにアプリをインストールするだけで、プライベート番号の他にもう一つ、仕事用の050電話番号が持てるサービスです。
スマホアプリをインストールするだけなので、新たな端末の購入は一切不要です。
低コストで仕事用の電話番号を取得することができるので、初めて050電話番号を利用する方にも試しやすいサービスとして、個人から企業まで幅広いビジネスマンに選ばれています。
もちろんナンバープラス機能で1台のスマートフォンで複数の番号を使い分けることができるのでマルチナンバーからの有力な移行先といえるでしょう。
終了前にやるべきこと
マルチナンバーは便利なサービスでしたが、終了が決まった今、早めに準備しておくことで混乱を防げます。特にビジネスで番号を使っている場合は、「番号が突然使えなくなる」「顧客と連絡が取れなくなる」といった事態を避けるための行動が必要です。
ここでは、終了前に確認・実行しておくべきポイントを具体的に整理します。
契約内容と利用状況の確認方法
まず行うべきは、現在の契約内容を正確に把握することです。ドコモのマイページ（My docomo）や店舗で、自分の契約が「FOMA回線」なのか「Xi（4G）」なのかを確認してください。 マルチナンバーはFOMA回線限定サービスのため、契約内容がそのまま終了対象となります。
また、「マルチナンバーに紐づく番号がどの用途で使われているか（仕事／家族／認証用など）」をリスト化しておくと、後の移行がスムーズです。使っていない番号がある場合は、早めの解約で無駄な費用を抑えることも可能です。
移行先の比較と決定ポイント
代替サービスを選ぶ際は、以下の3点を軸に比較するのが効果的です。
- 費用：月額基本料・通話料・初期費用など。
- 利用環境：スマホ対応の有無、PC連携、通話品質。
- サポート体制：法人契約可否、番号取得や転送設定の柔軟性。
IP電話アプリである「SUBLINE」などは低コストでスタートでき、スマホ1台で複数番号を運用できるため、コストと利便性のバランスが優れています。一方、法人で複数人が電話を共有するような環境では、PBX機能付きのクラウド電話サービスを選ぶのも手です。
よくある質問
「ドコモ マルチナンバー 終了」について、よく寄せられる疑問を整理します。公式発表や仕様をもとに、できる限り明快に記載します。
ドコモのマルチナンバーとは？
ドコモのマルチナンバーは、1台のFOMA（3G）契約で、基本番号＋付加番号を合わせて最大2つの付加番号（＝合計で最大3つの番号）を持てるサービスでした。用途別に番号を使い分けたい人向けの機能ですが、この仕組みは3Gネットワーク上で動作するもので、4G／5G機種で継続利用できる保証はありません。
ドコモのマルチナンバーはいつ終了しますか？
マルチナンバーは、FOMA（3G）サービスとともに 2026年3月31日 をもって終了とされます。また、ドコモは 2025年9月30日 をもってマルチナンバーの新規受付を終了すると発表しています。現在利用中のユーザーは、その期日に向けて利用可能ですが、機種変更や契約変更時に継続が認められないケースもあり得ます。
フォーマサービス終了（2026年3月）との関係は？
マルチナンバーは FOMA（3G）ネットワークを前提に設計されたサービスで、FOMA 回線の停波および iモード のサービス終了と連動して存続が難しくなります。4G／5G移行が進む中、古い通信設備の運用維持コストも膨らむため、関連サービスの整理が進んでいます。
ガラケーは 2026年以降も使えますか？
FOMA対応のガラケー（フィーチャーフォン）は、2026年3月末をもって音声通話・SMS・携帯ネットワーク通信の機能が使えなくなる見込みです。ただし、Wi-Fi 接続など、インターネット接続手段が残る機能は機種次第では一部使える可能性もありますが、通信契約としての携帯網利用は停止されます。
ドコモの2in1サービスはいつまで使えますか？
2in1サービスも、FOMA網終了に伴って 2026年3月31日 に終了となる案内が出ています。なお、2in1は 2019年9月30日 で新規申し込み受付を終えており、既存契約者のみが継続利用できる状態でした。
SUBLINEは法人以外でも利用できますか？
はい、個人ユーザーでも利用できます。SUBLINEは法人・個人事業主向けプランの提供が中心ですが、個人のスマホにアプリを入れて、050番号を取得・使い分けることが可能です。マルチナンバー終了後、スマホ1台で番号を分けたい人には有力な選択肢の一つになり得ます。
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PROFILE
-
株式会社インターパーク／SUBLINEプロジェクトリーダー・マーケティング担当
中途で株式会社インターパークに入社。
仕事で使う050電話アプリSUBLINE-サブライン-のカスタマーサポート担当としてアサイン。
カスタマーサポートを経て、現在は事業計画の立案からマーケティング担当として事業の推進・実行までを担当。
過去、学生時代には2年間の海外留学を経験。
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