本記事では、ビジネスフォンとは何か、家庭用電話との違いや仕組み、導入メリット、クラウド型との比較、料金相場、設置方法までわかりやすく解説します。
ビジネスフォンとは?その意味と基本機能をわかりやすく解説
ビジネスフォンとは、企業や店舗などのビジネス環境に特化して設計された電話システムです。単に「会社用の電話機」と思われがちですが、その機能は非常に多岐にわたり、組織内のコミュニケーション効率を飛躍的に高めてくれる頼れるツールです。
ここでは、ビジネスフォンの基本的な定義から家庭用電話との違い、代表的な機能についてわかりやすく解説していきます。
ビジネスフォンの定義|企業向けの多機能電話システム
ビジネスフォンとは、1台の外線(市外・市内など)を複数の内線電話機で共有し、さらに内線通話や転送、保留、会議通話などの機能を備えた、法人・団体向けの電話システムです。
中核となる「主装置(PBX)」が社内の通信を制御し、外線と内線の振り分けや、機能の管理を行います。
従業員数が数名の小規模オフィスから、数百名規模の企業まで、規模に応じて柔軟にカスタマイズできる点も特徴のひとつです。
家庭用電話との違い|ビジネスに必要な機能とは?
家庭用電話との最も大きな違いは、「複数人で効率的に通話を分担・管理できる仕組み」があることです。
例えば、家庭用電話は1台の電話機で1回線を使用するため、通話中に他の人が電話を使うことはできません。一方、ビジネスフォンでは、内線通話や保留・転送といった機能により、業務中の電話対応をスムーズに行うことが可能です。
また、通話履歴の記録、留守電の一括管理、時間外のアナウンス設定など、企業活動を支援する多彩なオプションが用意されています。
内線・外線・保留など基本機能の役割
ビジネスフォンには以下のような基本機能が搭載されており、日々の業務において高いパフォーマンスを発揮します。
- 内線通話:社内の別部署やフロア間で無料通話が可能
- 外線通話:市内外、携帯、国際電話など外部との通話
- 保留機能:通話中に一時的に保留し、他の電話に応答可能
- 転送機能:別の内線や外線に通話をスムーズに転送
- 代表番号着信:1つの代表番号に複数電話機が応答できる
- 留守番電話:不在時のメッセージ録音対応
- 通話録音・履歴管理:応対品質の向上とトラブル防止
これらの機能を活用することで、顧客対応の品質が向上し、社内の連携もスムーズになります。
どうなってるの?ビジネスフォンの仕組みと構成機器
ビジネスフォンは、単なる電話機の集合体ではなく、内線・外線・転送などを制御する「主装置(PBX)」を中心とした通信ネットワークです。
ここでは、各構成要素の役割や、クラウド型との違い、そして視覚的に理解しやすい接続イメージについて詳しく解説します。
主装置(PBX)・電話機・配線などの役割
ビジネスフォンの基本構成は、以下の3つの要素で成り立っています。
- 主装置(PBX)
通話のルーティングや機能制御を担う心臓部。外線と内線の接続、内線同士の通話、転送の設定など、すべての通信処理を一括して管理します。 - ビジネスフォン専用電話機
PBXと連携して機能する専用電話機。多くのモデルが短縮ダイヤルや転送ボタンなどを備えており、一般的な家庭用電話とは異なります。 - 配線・回線(アナログ/デジタル/IP)
主装置と電話機、外部回線をつなぐための通信配線。従来はアナログやISDNが主流でしたが、現在はIP(インターネット)回線が増えています。
この3つの要素が連携することで、複数の社員が同時に外線や内線を効率的に使える環境が整います。
クラウド型との構成の違い
従来のオンプレミス型ビジネスフォンと、クラウド型ビジネスフォンの最大の違いは、「主装置の設置場所」です。
- オンプレミス型(従来型):社内に主装置を物理的に設置。初期費用が高く、保守・管理も必要。
- クラウド型:インターネット経由でPBX機能を提供。主装置は不要で、スマホやPCでも利用可能。
クラウド型は、主装置の購入・設置が不要なため、導入コストを抑えつつ柔軟な運用が可能です。特に、リモートワークや多拠点運用との相性が良く、近年多くの企業がクラウド型へと移行しています。
図解でわかる接続イメージ
以下のような構成イメージを持つと、ビジネスフォンの全体像が把握しやすくなります。
オンプレミス型の場合(従来型):

クラウド型の場合:

図を通して理解すると、クラウド型のほうが柔軟性に富み、従来型は社内完結型で安定性が高い、という特徴の違いがはっきりと見えてきます。
導入で何が変わる?ビジネスフォンのメリットとデメリット
ビジネスフォンの導入によって、企業の電話対応は劇的に変わります。内線通話の効率化や外線の共有、転送機能による顧客満足度の向上など、多くの恩恵がある一方で、コストや導入時のハードルといった注意点もあります。
ここでは、導入による変化を「メリット」「デメリット」「クラウド型との比較」という視点で具体的に解説します。
導入によるメリットは?業務効率化と信頼性向上
ビジネスフォンを導入する最大のメリットは、電話対応の効率化と顧客信頼の獲得です。
- 内線通話で社内連携がスムーズに
部署間・フロア間での内線連絡がボタン一つで可能。移動や口頭での伝達を減らし、ミスも防げます。 - 代表番号の共有で取りこぼし防止
1つの代表番号に複数台の電話機が接続可能なため、取りこぼしリスクが激減。 - 転送・保留機能で対応力アップ
専門部署へのスムーズな転送や、一時保留ができることで、顧客満足度が向上します。 - 外部からの印象向上
会社の代表番号があり、適切に転送・応答される体制は、信頼できる企業イメージを形成します。
クラウド型とオンプレ型の比較
項目 | オンプレ型(従来型) | クラウド型 |
主装置の場所 | 社内に設置 | インターネット上(クラウド) |
初期費用 | 高め(工事・機器代) | 低コスト(初期設定のみ) |
運用の柔軟性 | 固定的、物理配線に依存 | 柔軟、スマホ・PCからも利用可 |
メンテナンス | 保守契約や現地対応が必要 | リモート保守や自動アップデート |
テレワーク対応 | 基本は社内利用 | どこからでも利用可能 |
【結論】
小規模事業者や、テレワークを活用する企業にはクラウド型が特におすすめです。一方で、安定性や社内完結型を求める企業にはオンプレ型も根強い人気があります。
デメリットとその解消方法
◼️ 初期費用がかかる(オンプレ型)
→【解決策】クラウド型を選べば、初期コストを大幅に抑えられます。
◼️ 配線・設置工事が必要(オンプレ型)
→【解決策】クラウド型なら物理的な配線がほとんど不要。最短即日で利用開始可能なサービスもあります。
◼️ 社内IT担当がいないと不安
→【解決策】導入から保守までワンストップで対応してくれるベンダーを選びましょう。
◼️ 通信品質への懸念(クラウド型)
→【解決策】安定したネット回線とQoS設定、信頼できるサービス選定がカギです。
導入前には自社のニーズや将来の拡張性を見極め、どの方式が合っているのかを明確にすることが成功の秘訣です。
ビジネスフォンの料金相場とコストシミュレーション
ビジネスフォンを導入する際に多くの企業が気にするのが「費用」です。初期導入コストはもちろん、毎月のランニングコストも無視できません。
ここでは、オンプレ型・クラウド型それぞれの費用感や構成による価格差、コストを抑えるための考え方について解説していきます。
初期費用と月額費用の目安
■ オンプレ型ビジネスフォンの費用相場
- 初期費用(主装置+電話機+工事):20万〜100万円程度(規模により変動)
- 月額費用(保守や回線費):数千円〜1万円前後/1回線あたり
※主装置のグレードや電話機の台数、配線の難易度によって大きく変動します。
■ クラウド型ビジネスフォンの費用相場
- 初期費用:0円〜3万円程度(設定費や端末代)
- 月額費用:1,000円〜3,000円/アカウント(月額定額制)
クラウド型は物理機器が不要なため、導入ハードルが非常に低いのが大きな魅力です。
構成による価格の違い(台数・機能)
ビジネスフォンの費用は、以下のような要因で変動します。
要因 | 費用への影響 |
電話機の台数 | 多いほどコスト増加(1台あたり1〜5万円) |
主装置の容量 | 多機能・多回線対応モデルは高額 |
内線数・外線数 | 多いと配線・設定の手間増加=工事費UP |
機能オプション | 留守電・録音・転送設定などは追加料金が必要 |
導入拠点の数 | 拠点ごとに構成が必要=コスト増 |
つまり、「何台・どんな機能・どこで使うか」が料金に直結するというわけです。
クラウド型の料金メリットとは?
クラウド型ビジネスフォンは以下の点でコストパフォーマンスに優れています。
- 主装置が不要 → 大幅に初期費用を削減
- スマホやPCを端末として利用できる → 専用電話機も不要なケースあり
- 人数に応じた月額課金 → 無駄が少なくスモールスタートに最適
- 複数拠点でも同一管理 → 拠点ごとの重複投資が不要
特にスタートアップやフリーアドレス制の企業、テレワークを導入している企業にとって、クラウド型は非常に合理的な選択肢といえるでしょう。
導入方法の流れ|設置から設定までのステップ
ビジネスフォンの導入は、「どこに頼むか」や「クラウド型 or オンプレ型か」によってステップが異なります。
ここでは、それぞれの導入フローや工事の有無、そして信頼できるベンダー選びのコツまで、実務レベルで押さえておきたいポイントを解説します。
オンプレ型の場合の導入ステップ
オンプレ型(従来型)ビジネスフォンの導入は、以下のような流れで進みます。
- ヒアリング・要件定義
会社の規模、内線・外線数、必要な機能などを業者と確認。 - 構成設計・見積もり
主装置の選定、電話機台数、配線ルートなどを含むプラン提案。 - 配線工事・主装置設置
社内に電話線やLANケーブルを敷設し、主装置を設置・設定。 - 電話機の設置・動作確認
各デスクへの電話機設置と初期設定、通話確認。 - 社員への使用方法レクチャー
転送・保留・内線操作などの基本操作をレクチャー。
※目安期間:1〜2週間(規模や工事の有無により前後)
クラウド型の場合の導入ステップ
クラウド型の場合は、主装置の設置が不要なので非常にシンプルです。
- アカウント申し込み・初期設定
サービス提供会社にオンラインで申し込み、管理画面で基本情報を登録。 - 電話番号の取得 or ポートイン(番号移行)
新規番号取得、もしくは現在の番号をクラウドへ移行する手続き。 - アプリのインストール・端末設定
スマホやPCに専用アプリを入れ、アカウントを紐づけ。 - 運用開始・操作確認
数日以内に即運用開始可能。録音・転送・留守電などの機能もすぐに使えます。
※目安期間:最短即日〜3日程度
工事の有無や期間について
- オンプレ型:物理的な配線や機器設置が必要なため、事前の現地調査や工事が発生します。工期は1日〜数日程度が一般的。
- クラウド型:物理工事は不要。インターネット環境さえ整っていれば、オンライン設定とアプリインストールで導入完了です。
オフィスの新設・移転時など、物理的なレイアウトにこだわる場合はオンプレ型、スピード重視ならクラウド型が有利です。
失敗しないベンダー選びのコツ
ビジネスフォン導入の成功は「業者選び」にかかっていると言っても過言ではありません。
チェックポイント
- 提案力:自社の規模や将来の拡張に応じた構成提案があるか
- 実績:中小企業向けの導入実績が豊富か
- サポート体制:導入後の保守・サポートの内容
- 料金の透明性:見積もりが明確で、不要なオプションが含まれていないか
- クラウド型に強いか(クラウド型を希望する場合)
特にクラウド型を検討している場合は、050電話アプリSUBLINE(サブライン)のように中小企業向けに特化したシンプル&高機能なサービスも選択肢に入れておくと良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
ビジネスフォンの導入や選定にあたっては、初めての方が疑問に思うポイントがたくさんあります。
ここでは、特によくある7つの質問に対して、初心者にもわかりやすく丁寧にお答えします。
ビジネスフォンと家庭用電話の違いは何ですか?
家庭用電話は1回線を1台の電話機で利用するシンプルな仕組みですが、ビジネスフォンは主装置を通じて複数の電話機を一元管理し、内線通話や保留・転送などの業務向け機能を利用できます。
また、代表番号を複数人で受けられる機能や、録音、時間外アナウンスなども備えており、法人利用に特化した機能性が大きな違いです。
ビジネスフォンとは何ですか?
ビジネスフォンとは、会社や事業所などの業務用途に最適化された電話システムのことで、内線通話・外線通話・転送・保留などの多機能を備えています。
一般的には主装置(PBX)と電話機の組み合わせで構成され、部署間の連携や顧客対応の効率化を図るために導入されます。
NTTのビジネスフォンとは何ですか?
NTTが提供するビジネスフォンは、NTT製のPBXや電話機を使った法人向け通話システムであり、回線契約から機器販売、保守サービスまでを一貫提供しているのが特長です。
主にフレッツ光などの通信インフラとセットで提案されることが多く、信頼性と安定性の高さが強みです。
NTTビジネスフォンの月額料金はいくらですか?
NTTのビジネスフォンは、構成によって費用が大きく異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
- 初期費用:20万〜50万円程度(機器+工事)
- 月額費用:回線数やプランによって1,000円〜5,000円/1番号あたり
※保守契約や回線オプションなどによって上下します。詳細は見積もりベースで確認するのが確実です。
クラウド型ビジネスフォンの初期費用はどのくらい?
クラウド型は物理的な主装置が不要なため、初期費用は非常に抑えられます。具体的には、
- 初期費用:0円〜3万円程度
- 月額費用:1,000円〜3,000円/1アカウント
スマホやPCを端末として利用すれば電話機の購入も不要なので、導入コストを最小限に抑えたい企業に最適です。
内線・転送はスマホでも可能ですか?
はい、クラウド型ビジネスフォンであれば、スマホを使って内線通話や転送が可能です。専用アプリを使えば、外出先や自宅でも社内と同様の通話操作ができます。
たとえば、営業担当が外出中でも内線で呼び出して転送すれば、顧客をお待たせすることなくスムーズに対応できます。
テレワーク環境でもビジネスフォンは使えますか?
はい、特にクラウド型であれば、テレワーク環境との親和性は非常に高いです。
- スマホやPCから会社の番号で発着信可能
- 社員間の内線通話もリモートで利用可能
- 録音や通話履歴もクラウドで一元管理
コロナ禍以降、多くの企業がクラウド型ビジネスフォンを導入し、自宅勤務でも高い電話対応品質を維持しています。


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PROFILE

-
株式会社インターパーク/SUBLINEプロジェクトリーダー・マーケティング担当
中途で株式会社インターパークに入社。
仕事で使う050電話アプリSUBLINE-サブライン-のカスタマーサポート担当としてアサイン。
カスタマーサポートを経て、現在は事業計画の立案からマーケティング担当として事業の推進・実行までを担当。
過去、学生時代には2年間の海外留学を経験。