ワイヤレス固定電話とは、電話線ではなく無線通信を利用する固定電話サービスです。本記事では、ワイヤレス固定電話の仕組みや従来の固定電話との違い、メリット・注意点を解説。スマートフォンを固定電話化するメリットや、IP電話アプリ・転送サービスなどを使って固定電話番号をスマホで利用する方法も紹介します。
NTTのワイヤレス固定電話とは?
NTTの「ワイヤレス固定電話」は、従来のように建物までメタル回線や光回線を引き込むのではなく、モバイル通信網を利用して固定電話を提供するサービスです。NTT東日本・NTT西日本が2024年4月から提供を開始しました。
「ワイヤレス」という名称ですが、コードレス電話のように電話機を自由に持ち運ぶサービスではありません。主に固定電話回線の維持が難しい地域などで、従来の固定電話に代わる通信手段として提供されています。
ワイヤレス固定電話の仕組み
従来の固定電話は、メタル回線や光回線などを建物まで引き込んで電話をつなぎます。一方、ワイヤレス固定電話では、専用のターミナルアダプタ(TA)とモバイル通信網を利用して通話を行います。
電話機から専用TA、モバイル通信網、NTTの通信網を経由して相手につながるため、建物まで物理的な電話回線を引き込む必要がありません。
つまり、電話機は従来と同じように使いながら、電話局までの通信の一部を有線から無線へ置き換えた仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
固定電話との違い
ワイヤレス固定電話と従来の固定電話の大きな違いは、建物まで物理的な電話回線を引き込むかどうかです。
従来の固定電話ではメタル回線や光回線などを利用しますが、ワイヤレス固定電話はモバイル通信網を活用します。そのため、物理回線の敷設や維持が難しい場所でも固定電話サービスを提供しやすくなります。
一方、無線通信を利用するため、利用場所の電波状況によってはサービスを利用できない場合があります。また、一部の電話機や通信機器、サービスには対応していない点にも注意が必要です。
ワイヤレス固定電話はどんな場面で利用されている?
NTTのワイヤレス固定電話は、単純に「電話線をなくしたい」という人が自由に導入するサービスではありません。主に、従来の固定電話設備を維持することが難しい地域で、固定電話サービスを継続する手段として利用されています。
たとえば、山間部や離島など、利用者が少なく固定電話設備の維持が難しい地域が代表的です。また、災害などによって有線設備が利用できなくなった地域で、通信手段を確保する目的でも活用されます。
このようにワイヤレス固定電話は、利便性だけを目的としたサービスというより、有線設備の維持・整備が難しい場所でも固定電話を利用できるようにする仕組みとして位置付けられています。
NTTのワイヤレス固定電話の料金や提供条件
NTTのワイヤレス固定電話は、従来の固定電話と同じように月額料金が発生します。ただし、誰でも希望すれば申し込めるサービスではなく、提供エリアや利用条件が限定されている点が大きな特徴です。
月額料金・初期費用について
NTTのワイヤレス固定電話の月額基本料は、利用種別や電話サービス取扱所によって異なります。
たとえば3級取扱所の場合、住宅用は月額1,870円(税込)、事務用は月額2,750円(税込)です。2級・1級取扱所の場合は、住宅用が月額1,760円(税込)、事務用が月額2,640円(税込)となっています。
また、新規契約時には契約料880円(税込)と、標準的な工事の場合は22,000円(税込)の工事費が必要です。ただし、加入電話などからワイヤレス固定電話へ移行する場合、一定の条件を満たすことで初期工事費が無料になるケースもあります。
なお、月額基本料とは別に通話料のほか、電話ユニバーサルサービス料や電話リレーサービス料などがかかります。実際の料金は契約内容や工事内容によって異なるため、導入時にはNTT東日本・NTT西日本の公式サイトで最新情報を確認しましょう。
提供エリアと申込条件について
ワイヤレス固定電話は全国どこでも自由に申し込めるサービスではありません。
主な対象となるのは、山間部や離島など固定電話設備の維持が難しい地域や、災害などによって有線設備が利用できなくなった地域です。また、モバイル通信網を利用するため、十分な電波を確保できることも利用条件となります。
そのため、「オフィスから電話線をなくしたい」「スマートフォンで会社の固定電話番号を使いたい」といった理由だけで、ワイヤレス固定電話を選択できるとは限りません。
より自由に場所を選ばず固定電話番号を利用したい場合は、後述するクラウドPBXやIP電話アプリなども選択肢になります。
ワイヤレス固定電話のメリット
NTTのワイヤレス固定電話は、モバイル通信網を活用することで、従来の固定電話のように建物まで有線の電話回線を引き込む必要がありません。そのため、物理的な回線の敷設や維持が難しい場所でも固定電話サービスを提供しやすいというメリットがあります。
光回線やメタル回線を引きづらい場所でも導入しやすい
ワイヤレス固定電話はモバイル通信網を利用するため、光回線やメタル回線などの有線設備を維持することが難しい場所でも固定電話を利用できます。
特に山間部や離島など、利用者が少なく、固定電話設備の維持に大きな負担がかかる地域では有効です。既存のモバイル通信網を活用することで、有線設備に依存せず固定電話サービスを提供できます。
開設・移設時の負担を抑えやすい
従来の固定電話では、状況によって電話線の引き込みや設備工事などが必要になります。
ワイヤレス固定電話は、専用のターミナルアダプタ(TA)を設置し、モバイル通信網を利用する仕組みのため、有線設備を新たに整備する場合と比べて、設備面の負担を抑えやすいのが特徴です。
ただし、利用にはNTTが定める提供条件があり、一般的な固定電話のように希望する場所へ自由に開設・移設できるわけではありません。
固定電話として使える
モバイル通信網を利用するサービスですが、スマートフォンの携帯電話番号を使うわけではなく、固定電話サービスとして利用できることもメリットです。
従来の加入電話などからワイヤレス固定電話へ移行する場合、一定の条件を満たせば現在使用している電話番号を継続して利用できます。
そのため、電話番号を変えることによる取引先への周知や各種登録情報の変更といった負担を避けながら、固定電話サービスを継続できる点も特徴です。
ワイヤレス固定電話がおすすめなケース
NTTのワイヤレス固定電話は、誰でも自由に申し込める一般的な固定電話サービスではありません。主に、有線設備による固定電話サービスの提供・維持が難しいケースで活用されます。
電話回線の敷設が難しい地域で固定電話を利用したい場合
山間部や離島など、光回線やメタル回線といった有線設備の整備・維持が難しい地域では、ワイヤレス固定電話が適しています。
モバイル通信網を利用するため、建物まで物理的な電話回線を引き込むことなく固定電話サービスを提供できます。ただし、利用にはモバイル通信の電波を確保できることなど、所定の条件があります。
災害などで有線の電話回線を利用できない場合
災害などによって電話線や通信設備が被災し、有線による固定電話サービスの提供が困難になった地域でも、ワイヤレス固定電話が活用される場合があります。
物理的な回線の復旧が難しい場合でも、モバイル通信網を利用できれば固定電話サービスを提供できる可能性があるため、通信手段を確保するための選択肢となります。
電話回線の維持が難しい地域で固定電話を継続したい場合
固定電話の利用者が少ない地域では、長距離のメタルケーブルなどを維持し続けることが難しいケースがあります。
こうした地域で、従来の有線設備に代えてモバイル通信網を活用し、固定電話サービスを継続するための手段となるのがワイヤレス固定電話です。
そのため、「オフィスの電話線をなくしたい」といった利便性を目的とするケースよりも、固定電話サービスの提供を維持することが難しい地域に向いているサービスといえます。
ワイヤレス固定電話のデメリット・注意点
ワイヤレス固定電話は、有線設備を維持することが難しい地域でも固定電話サービスを提供できる一方、利用条件や対応サービスには制限があります。導入を検討する際は、一般的な固定電話とまったく同じように利用できるわけではない点を理解しておきましょう。
誰でも自由に申し込めるサービスではない
NTTのワイヤレス固定電話は、希望すれば誰でも新規契約できるサービスではありません。
基本的には、固定電話設備の維持が難しい地域など、NTTが指定するエリアの利用者を対象としたサービスです。そのため、「工事をせずに固定電話を使いたい」「会社の電話をワイヤレス化したい」といった理由だけでは利用できない場合があります。
利用できる地域が限定されている
ワイヤレス固定電話は、NTTが定める提供エリアで利用するサービスです。山間部や離島などの一部地域や、災害などによって有線設備によるサービス提供が困難になった地域などが対象となります。
また、提供対象となる地域であっても、モバイル通信の電波状況などによって利用できない場合があるため、事前の確認が必要です。
電波状況によって利用できない場合がある
ワイヤレス固定電話はモバイル通信網を利用するため、電波環境の影響を受けます。
建物の構造や周辺環境などによって十分な電波を確保できなければ、サービスを利用できない場合があります。従来の有線による固定電話とは通信の仕組みが異なることを理解しておく必要があります。
利用できない電話サービスや機器がある
ワイヤレス固定電話では、従来の加入電話で利用できていた一部のサービスや機器を利用できない場合があります。
たとえば、ISDN対応電話機やG4FAXなど、一部の通信機器は利用できません。また、電話機の種類によっては一部機能が正常に動作しない場合もあります。
現在利用している電話機やFAX、付加サービスなどを引き続き使いたい場合は、ワイヤレス固定電話への移行前に対応状況を確認しておくことが重要です。
より柔軟な電話運用ならクラウドPBXもおすすめ
NTTのワイヤレス固定電話は、主に有線設備の維持が難しい地域で固定電話サービスを継続するための仕組みです。一方、「オフィスの電話機に縛られたくない」「外出先でも会社の番号で電話したい」といった目的なら、クラウドPBXやIP電話アプリを活用する方法があります。
クラウドPBXとは?ワイヤレス固定電話との違い
クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置していたPBX(電話交換機)の機能をクラウド上で提供する仕組みです。インターネットを利用して、スマートフォンやパソコンなどをビジネス用の電話端末として活用できます。
NTTのワイヤレス固定電話が、モバイル通信網を利用して固定電話サービスを提供する仕組みなのに対し、クラウドPBXは会社の電話環境そのものをクラウド化する仕組みという違いがあります。
スマートフォンを固定電話化するメリット
クラウドPBXなどを利用してスマートフォンを固定電話化すれば、オフィスの電話機の前にいなくても、会社の電話番号を使って発着信できるようになります。
外出先やテレワーク中でも電話対応がしやすくなるほか、仕事用の番号と個人の携帯電話番号を使い分けることも可能です。固定電話機への依存を減らせるため、場所に縛られない電話環境を構築したい企業に適しています。
スマートフォンを固定電話として使う3つの方法
スマートフォンを固定電話として活用する代表的な方法には、IP電話アプリ、電話転送サービス、スマホ連動機能を備えた電話機があります。
IP電話アプリは、アプリをインストールしてインターネット経由で発着信する方法です。電話転送サービスでは、固定電話への着信をスマートフォンへ転送できます。また、スマホ連動機能を備えた電話機なら、固定電話への着信を連携したスマートフォンで受けられる製品もあります。
それぞれ仕組みや利用できる機能が異なるため、「外出先からも発信したい」「着信だけスマホで受けたい」など、目的に合わせて選ぶことが大切です。
IP電話アプリならスマホだけで固定電話番号を利用できる
電話線や固定電話機への依存を減らしたい場合は、IP電話アプリが有力な選択肢です。サービスによっては、050番号だけでなく、03や06などの市外局番をスマートフォンで利用できるものもあります。
スマートフォンから仕事用の番号で発着信できるため、外出やテレワークが多い企業でも電話対応を続けやすくなります。また、個人の携帯電話番号を取引先へ知らせずに済むのもメリットです。
たとえばSUBLINE(サブライン)では、050番号に加えて固定電話番号を取得でき、スマートフォンを使った電話運用が可能です。また複数同時転送や留守番電話、通話録音などの機能にも対応しています。
このようなIP電話サービスを活用すれば、従来の固定電話機に縛られず、より柔軟な電話環境を構築できます。
まとめ|SUBLINE(サブライン)ならスマホを仕事用電話として活用できる
NTTのワイヤレス固定電話は、モバイル通信網を活用し、物理的な電話回線の維持が難しい地域でも固定電話サービスを提供できる仕組みです。ただし、提供エリアや申込条件が限定されているため、単純に「会社の固定電話をワイヤレス化したい」という目的で自由に導入できるサービスではありません。
オフィスの電話機に縛られず、外出先やテレワークでも仕事用の電話番号を利用したい場合は、IP電話アプリなどを活用する方法があります。

SUBLINE(サブライン)は、スマートフォンにアプリをインストールして、プライベートの携帯番号とは別に仕事用の電話番号を利用できるサービスです。050電話番号だけでなく03や06などの市外局番から始まる固定電話番号も利用できます。
会社用の固定電話機を新たに用意しなくても、普段使用しているスマートフォンで仕事の電話を発着信できます。
固定電話機を設置せずに仕事用の電話環境を整えたい場合や、テレワーク・外出先でも会社用の電話番号を利用したい場合は、SUBLINEのようなスマートフォンで利用できる電話サービスを選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q. ワイヤレス固定電話のメリットは?
NTTのワイヤレス固定電話の大きなメリットは、建物まで光回線やメタル回線を引き込まず、モバイル通信網を利用して固定電話サービスを提供できることです。
そのため、山間部や離島など、有線設備の敷設・維持が難しい地域でも固定電話を継続しやすくなります。
Q. ワイヤレス固定電話の料金はいくらですか?
NTT東日本の場合、月額基本料は利用種別や電話サービス取扱所によって異なります。たとえば3級取扱所では、住宅用が月額1,870円(税込)、事務用が月額2,750円(税込)です。
このほか、通話料や電話ユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料などがかかります。新規契約時には契約料や工事費が必要になる場合もあるため、実際の料金は契約前に確認しましょう。
Q. ワイヤレス固定電話と固定電話の違いは何ですか?
大きな違いは、建物までの通信に物理的な有線設備を利用するか、モバイル通信網を利用するかです。
従来の加入電話などではメタル回線等を利用しますが、ワイヤレス固定電話では専用のターミナルアダプタ(TA)を介してモバイル通信網を利用します。
Q. NTTのワイヤレス固定電話とは何ですか?
NTTのワイヤレス固定電話とは、モバイル通信網を活用して固定電話サービスを提供する仕組みです。
主に山間部や離島など、従来の固定電話設備の維持が難しい地域や、災害などによって有線設備でのサービス提供が困難になった地域などで利用されます。
Q. ワイヤレス固定電話は誰でも申し込めますか?
いいえ。NTTのワイヤレス固定電話は、希望すれば誰でも自由に申し込めるサービスではありません。
提供対象となる地域や利用条件が定められており、さらにモバイル通信の電波を確保できることなどの条件があります。利用できるかどうかはNTTへの確認が必要です。
Q. ワイヤレス固定電話で現在の電話番号をそのまま使えますか?
加入電話などからワイヤレス固定電話へ移行する場合は、一定の条件を満たすことで、現在利用している電話番号を継続して利用できます。
ただし、利用状況や契約内容などによって異なるため、移行前にNTTへ確認しましょう。
Q. スマートフォンを固定電話として使うことはできますか?
クラウドPBXやIP電話アプリなどを利用すれば、スマートフォンを仕事用の固定電話のように活用できます。
サービスによっては050番号だけでなく、03や06などの固定電話番号をスマートフォンで利用することも可能です。
たとえばSUBLINEでは050番号と固定電話番号に対応しており、スマートフォンを使った電話運用が可能です。固定電話機やオフィスに縛られず電話対応をしたい企業にとって、選択肢のひとつとなります。

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監修者
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株式会社インターパーク/SUBLINEプロジェクトリーダー・マーケティング担当
中途で株式会社インターパークに入社。
仕事で使う050電話アプリSUBLINE-サブライン-のカスタマーサポート担当としてアサイン。
カスタマーサポートを経て、現在は事業計画の立案からマーケティング担当として事業の推進・実行までを担当。
過去、学生時代には2年間の海外留学を経験。
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